長い夏が終わりとうとう秋に突入してまいりました。朝夕の涼しい風が心地よくなってきました。
今回は研修先でお世話になっている鹿浜診療所の平山陽子先生ご講演を賜りました。
すべての家庭医が女性外来ができる世の中に!
というモットーを掲げていらっしゃり、診療所でいい意味で「ごく普通に」女性外来を実践されている姿は、家庭医の卵としては非常に憧れる存在でもあります。そんな平山先生から、女性外来のTipsをご教示いただきました!
明日からできる女性診療、挑戦していきたいですね!
★エントリー
(総合診療専攻医)例 1. 包括的統合アプローチ など
(家庭医療専攻医)19b. セクシュアルヘルス/性を考慮したケア
★概要
プライマリケア学会のセクシュアルヘルス委員会が提言している、「ジェネラリストの手はじめ12箇条」はご存知ですか?
内診台や膣鏡などなくても始められるとのこと、専門的な処置は不要、それでいて幅広く奥深い領域ですね。
この12箇条に沿って平山先生の実践をご紹介いただきました。
プライマリケア学会セクシュアルヘルス委員会↓
https://www.primarycare-japan.com/theme-detail.php?thid=
まずは雰囲気づくり・メッセージを受け取ってもらうことがスタートですね。
私も「なんとなく妊娠中・授乳中の投薬は控える!?」という認識でいましたが、
手元に信頼できる資料をいつでも参照できるようにさえしていれば、
正しい知識と根拠を持って、母親・赤ちゃんの診療ができますね。
「プレコンセプションケア」という言葉はご存知でしょうか?
女性やカップルたちの健康や、赤ちゃんへの健康について、妊娠前から介入できるケアのことです。妊娠するしないにかかわらず、性別にもかかわらず、大切なケアばかりですね。意識的にこれらに目を向け、アドバイスできることも、家庭医の大切な役割の一つですね。
月経のこと・性交渉や避妊のこと、家庭内暴力のことなど、
ちょっと聞きづらい・介入しにくいと思いがちな問題についても、
アンテアを張っていることで家庭医が介入できるチャンスがあります。
活用できるリソースなど知っておくことも重要です。
HPVワクチンについて、まだまだ普及が進んでいないのが現状です。地域の女性の健康に寄与する役割のある家庭医が、正しい知識を持って情報提供できることは大切だと学びました。
さらに、学校における性教育の不十分なところにも切り込んでいけるのが家庭医!確かに自分が小中高生の時に受けた性教育って、どこかぼんやりしていた気がします。平山先生は近隣の中学生に対して、性教育の一環として、性的同意についてのレクチャーや、困った状況に直面した場合にきちんと断れるように練習するワークショップなどをされたそうです。
セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスアンドライツ SRHRについて考えることは、自分のことも大切な人のことも守ることに繋がりますね。
このように、家庭医における「すべての女性におけるあらゆる健康問題」に対してできるケアは無限大ということがわかりました。そのパートナーや家族や友人にも関わってくる、なんなら自分自身の健康問題の見直しもできる、まさに家庭医らしさを実感できるレクチャーでした。
普段の健診やワクチンなどの診療にも、活かせることがありそうです。明日から実践できるヒントばかりでした。
平山先生、ありがとうございました!!