2023年2月9日木曜日

【開催報告】SPart 若手勉強会「明日から使える!?思春期診療」 2023.2.2

寒い時期になりましたがみなさまいかがお過ごしでしょうか。

今回は、家庭医療専門医の石川輝先生(さいたま市民医療センター)から「明日から使える!?思春期診療」と題してレクチャーしていただきました!参加者は、指導医4人、専攻医4人、研修医1人、学生1人 の10人です。

★エントリー

19b.思春期のケア(新・家庭医専門医)

1. 包括的統合アプローチ(総合診療専門医)

思春期診療に必須なスキルは多岐にわたる。特にコンテクスト/ライフサイクルを意識して行うことが重要で、家族図の作成は必須であることが強調されました!


ただ、介入することが機会として少ないため、逃さないことが重要!ついついやりがちで、だが我々の得意分野である「お節介力」を発揮するところでもあると思います!


「ミッドライフクライシス:大人が迎える第二の思春期」は健診異常・更年期など健康問題が出てくる時期、かつ親の介護や思春期の子供が重なる時期など家庭・職場における役割の変化がある時期でもあり、介入するチャンス!


青少年に推奨すべき項目に関するレビューの紹介。「CRAFFT+N(薬物使用)」「LGBT+」などの紹介。


相手の出方を伺い対策を練る!SSHADESS(シャッズ)モデルの紹介。指導医より、1回で言うことを1つまでにする(あまり話好きない、温度差を意識して診療をする)というパールがあり、まずはラポール形成を作ることを目標に継続させることが大事!


実践での具体的な方法の伝授です!「これはどの患者さんにもお願いしていることなのですが、 自分の健康に対して自分で考えをもつ年代なので、あなたの 息子/娘さんに個別でお話する時間を作ってもいいですか?」と言うキラーワードも教えてもらいました✨


★まとめ:「思春期診療は難しい、けど面白い!」を痛感しまくる1時間でした!


SPartの若手勉強会は

毎月第1木曜日 20時開始

内容 ■専攻医&研修医の振り返り ■ベテラン&若手指導医のレクチャー ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと
思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

次回は2023年3月2日 午後20時から

内容は、「離島医療の現実 from 石垣島」を予定しています。離島医療に興味のある方必見です。
発表者は総合診療内科専門医1期生、元さいたま市民医療センター/現八重山病院の板垣 健介先生です。
ぜひご参加ください!!

文責:さいたま市民医療センター/ハーモニークリニック 豊口将



2023年2月2日木曜日

【ゲスト回:開催報告】「チャプレンー死と生に座る宗教者ー」2023年新年企画

 2023年になってもうひと月が経ってしまいました。早い、早すぎる・・・。

考えてみたら専攻医生活が折り返しに差しかかっている瀧井です。なんてこった。


さて!2023年1月5日にゲストをお招きして勉強会を開催しました。

タイトル:『チャプレンー死と生に座る宗教者ー』

ゲスト:牧師・チャプレン 関野和寛さん

そもそも「チャプレン」ってどんな人なの?というところから。
チャプレンとは、教会ではなく、施設などで働く牧師さんのこと。
特にアメリカなどでは、「死」にまつわるところにチャプレンがいるのはごく当たり前のことで、特に病院の緩和ケア病棟・ホスピスには欠かせない存在なのだとか。患者さんが亡くなる時・亡くなった後の遺族のケア・燃え尽きそうな医療スタッフへのケアなども行っているとのこと。


“予後1か月の患者さんに『私は死んだらどうなるの?』と聞かれたら?”
“ご遺族に『この人はなぜ死ななければならなかったのですか?』と泣きながら言われたら?”
そんな時、私たちはどうお声をかけたらいいのでしょうか。

医師が一人の患者に割ける時間は5分、看護師でも30分と言われている。
短い時間で、どうやったら信頼関係が築けるのでしょうか。

きっと若手だけでなく、ベテランの先生方も、悩まれる場面ではないでしょうか。
いわゆる「精神的苦痛」「社会的苦痛」「スピリチュアルペイン」にもつながるところかと思います。


関野さんが、大切にしている5つのことを紹介いただきました。
①感謝 「ありがとう」
②謝罪・後悔 「あの時はごめんなさい」
③怒り 「このことが許せない」
④愛を伝える 「愛しているよ」
⑤心配を和らげる「安心して旅立って大丈夫だよ」

これらを、患者さんとご家族が伝え合えるよう、場を整えることが大事なのだそうです。


「人に寄り添う」ってとても奥が深いことを教えていただきました。
きっと「傾聴と共感」だけではできない、「人の辛い思いにメスを入れて、心の膿を出す」プロフェッショナルであり、能動的な寄り添いができる専門家のお話を伺うことができました。

参加者も若手医師だけでなくメディカルソーシャルワーカーMSWさん方のご参加もいただき、大変貴重な機会となりました。関野さんありがとうございました!
今後のSPart若手会も、多職種の皆さんのご参加をお待ちしています!!

文責:瀧井 家庭医療専攻医 川口診療所/埼玉協同病院