2021年6月5日土曜日

【開催報告】SPart若手勉強会「障害とリハビリテーション」2021.6.3

今回の参加人数は20名(うち専攻医7名、研修医6名、学生1名)でした。 

振り返り

事例提供者:専攻医1年目 
事例:80歳代 男性
 血液疾患の診断目的で入院された患者さんが、偶発的に重篤な併存症を発症。徐々に状態が悪くなっていく中で、本来の予後とはかけ離れた状態になっていくことへの無念さ、併存疾患を発見に対する葛藤、本人が意思決定できない中での家族との診療方針決定の難しさなどを臨床倫理の4分割法、SEA、コルブの経験学習モデルなど多くのフレームワークを使って振り返っていただきました。参加者からの質問とのやりとりの中で、徐々に事例提供者の中でも、自分が何にモヤモヤしていたのかが整理されたとのこと。とても大変だった事例だからこそ、多くの学びもあったようです。 
 個人的には、多職種連携として看護師の気付きを大事にするという学びには、とても共感しました。病棟では、我々医師よりも看護師の方が何倍も患者さんと接する時間が長く、その看護師が「あれ、いつもと違う」と感じたことはきちんと確かめたほうが良いと思います。もちろん、夜間とか休日の当直中に電話で呼ばれた時も、ですね。 


レクチャー

テーマ:障害とリハビリテーション 
講師:田中政任先生(関越会南町クリニック)
  ICF(国際生活機能分類)の歴史から使い方、そしてリハビリの実践までわかりやすく説明いただきました。特にリハビリを実践する際のSMART(Specific, Measurable, Attainable, Realistic, Timely)な目標設定の重要性に関しては多くの方の学びになったと思います。現在の医療制度では医師がリハビリを処方して療法士が実践するわけですが、実際のところ医師がリハビリテーションをきちんと学ぶ場は皆無です(少なくとも私の年代では)。
 個人的にはリハビリの専門的知識を全て理解することは必要ないと思っていますが、少なくとも療法士と議論できるくらいの知識は持っておかないといけないと感じています。やはり、もう少し勉強しなくてはと課題に気づかせていただきました。


 今年度SPartの若手会は毎月第1木曜日の21時からオンラインで開催しています。

内容
■専攻医&研修医の振り返り 
■ベテラン&若手指導医のレクチャー 

ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています! 

次回開催は
7月1日(木)21:00〜 テーマ「家族志向のケア」です。
乞うご期待! 

 秩父市立病院 加藤寿