【開催報告】SPart若手勉強会 2021.7.1
今回の参加人数は13名(うち専攻医6名、研修医2名、学生1名)でした。
振り返り
事例提供者:専攻医1年目
事例:80歳代 女性
COVID -19で夜間に転院搬送となった事例。最初はちょっとモヤっとしたが、上級医が背景情報をうまく引き出すことで、陰性感情をうまく対処できた。家族に病状説明、治療方針の意思決定支援をする際に、客観的データを提示しながら、背景情報にも考慮して説明することが重要と認識したとの振り返りでした。
実際には高齢者のCOVID -19治療なので、どこまで治療すべきか、医師の采配で治療の上限を設定するかどうか、とても難しい問題だなと感じました。
事例提供者:専攻医3年目
事例:70歳代 男性
人口5万人の離島での事例。病院嫌いの患者。転倒、肺炎での入院から進行性核上性麻痺を疑っている。島内の神経内科受診に2ヶ月かかる、嚥下障害で普通食が食べられない。KPの妻は認知症あり。本島に娘2人住んでいるが、本人、家族(妻、娘)の意向が全てバラバラ。さて、どうする?
最終的には終末期の意思決定支援につながる事例でした。離島という限られた医療資源の中で、どのようにマネジメントしていくかはとても難しい事例でしたが、活発な意見交換が行われました。個人的には、埼玉県の勉強会で離島の事例の検討ができるなんて、なんて贅沢なんだと思いました。
テーマ:家族志向のケア
講師:大塚貴博先生(あけとクリニック)
「家族志向のケア」の基本をわかりやすく教えていただきました。実践する際にキーとなるのが「家族図」「家族のライフサイクル」であり、ゴールとしては「患者家族の不安を減らすこと」「家族の自律性が回復すること」の2つです。
家族志向のケアのゴールが「家族の自律性が回復すること」というのはとても重要なことです。それぞれの家族の「自律性」は本当にいろいろなパターンがあると思います。我々医師は、知らず知らずのうちに自分の価値観、自分の家族の価値観、今までに経験した家族のパターンなどと照らし合わせて、目の前の家族の価値づけをしてしまいがちです。目の前の家族がどういう状況になれば、自律性を保てるのか。今回、レクチャーの冒頭で参加者に「あなたにとって家族とは?」という問いかけに、本当にさまざまな答えが出てきたように、家族の姿は一つとして同じものがないと肝に銘じておきたいものです。
今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日の20時30分から
内容
■専攻医&研修医の振り返り
■ベテラン&若手指導医のレクチャー
ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!
次回開催は8月5日(木)20:30〜
レクチャーテーマ「複雑困難事例」
乞うご期待!