2023年になってもうひと月が経ってしまいました。早い、早すぎる・・・。
考えてみたら専攻医生活が折り返しに差しかかっている瀧井です。なんてこった。
さて!2023年1月5日にゲストをお招きして勉強会を開催しました。
タイトル:『チャプレンー死と生に座る宗教者ー』
ゲスト:牧師・チャプレン 関野和寛さん
そもそも「チャプレン」ってどんな人なの?というところから。チャプレンとは、教会ではなく、施設などで働く牧師さんのこと。
特にアメリカなどでは、「死」にまつわるところにチャプレンがいるのはごく当たり前のことで、特に病院の緩和ケア病棟・ホスピスには欠かせない存在なのだとか。患者さんが亡くなる時・亡くなった後の遺族のケア・燃え尽きそうな医療スタッフへのケアなども行っているとのこと。
“予後1か月の患者さんに『私は死んだらどうなるの?』と聞かれたら?”
“ご遺族に『この人はなぜ死ななければならなかったのですか?』と泣きながら言われたら?”
そんな時、私たちはどうお声をかけたらいいのでしょうか。
医師が一人の患者に割ける時間は5分、看護師でも30分と言われている。
短い時間で、どうやったら信頼関係が築けるのでしょうか。
きっと若手だけでなく、ベテランの先生方も、悩まれる場面ではないでしょうか。
いわゆる「精神的苦痛」「社会的苦痛」「スピリチュアルペイン」にもつながるところかと思います。
関野さんが、大切にしている5つのことを紹介いただきました。
①感謝 「ありがとう」
②謝罪・後悔 「あの時はごめんなさい」
③怒り 「このことが許せない」
④愛を伝える 「愛しているよ」
⑤心配を和らげる「安心して旅立って大丈夫だよ」
これらを、患者さんとご家族が伝え合えるよう、場を整えることが大事なのだそうです。
「人に寄り添う」ってとても奥が深いことを教えていただきました。
きっと「傾聴と共感」だけではできない、「人の辛い思いにメスを入れて、心の膿を出す」プロフェッショナルであり、能動的な寄り添いができる専門家のお話を伺うことができました。
参加者も若手医師だけでなくメディカルソーシャルワーカーMSWさん方のご参加もいただき、大変貴重な機会となりました。関野さんありがとうございました!
今後のSPart若手会も、多職種の皆さんのご参加をお待ちしています!!
文責:瀧井 家庭医療専攻医 川口診療所/埼玉協同病院