2021年9月6日月曜日

 【開催報告】第4回SPart勉強会(オンライン) 2021.9.5

テーマ:総合診療・家庭医療専門医プログラムにおける評価方法

日時:2021年9月5日(日) 14:00-17:00 オンライン開催

参加者:25名(指導医15名、専門医3名、専攻医4名、初期研修医2名、事務局1名)

【スタッフ:SPartコアメンバー】
・加藤 寿    秩父市立病院(秩父市) ・関口 由希公  医療生協さいたま 埼玉西協同病院(所沢市) ・高橋 慶    医療生協さいたま 川口診療所(川口市) ・遠井 敬大   my CLINIC(北本市) ・小森 聡子   高橋医院(さいたま市)

【内容】

1、レクチャー1「評価はなんのために?」 高橋 慶(医療生協さいたま 川口診療所)

 教育と評価について、「評価は学習者の学びのためにある(Assesment for learning)」をキーワードにわかりやすく解説していただきました。
個人的にはフィードバック、ティーチング、コーチングの理解が深まったことと、R2C2モデル(Relationship, Reaction, Content, Coarching) が印象的でした。また、コーチングの注意点として、「落とし所を探さない」というのも非常に重要なポイントだなと実感しました。





2、レクチャー2「専門医プログラムの評価制度について」 加藤 寿(秩父市立病院)

 総合診療専門医プログラムと新・家庭医療専門医プログラムの形成的評価(360度評価、Mini-CEX、CbD)に関してお話ししました。特に、CbDに関しては両プログラムで違いが鮮明に出ていることが特徴です。フロアとのディスカッションで、総合診療と家庭医療の両方のプログラムに登録している場合、重複研修期間のCbDは両方の評価表を提出する必要があることがわかりました。この運用に関しては、今後の課題として残りそうです。

 

3、ワーク「CbD:Case-based Discussion」 
 遠井 敬大(my CLINIC)、関口由希公(埼玉西協同病院)、小森聡子(高橋医院)

総合診療と家庭医療のどちらでも形成的評価として指定されているCbDですが、まだまだ一般的に良く理解されていないと思います。今回は、CbDの一般的な説明、ありがちな失敗評価方法の共有、実際にCbDの実践とフィードバックを3グループに分かれて行いました。




イギリスで行われているCbD原法、総合診療プログラムのCbD、家庭医療プログラムのCbDと少しずつ違いがあり、全体理解が難しい領域ではありますが、まずは全体のイメージをつかんいただくこと、まずはやってみることを目標に実施しました。今回、その目標は達成できたのではないかと思います。





4、フリートーク
 指導医2グループ、若手(専門医・専攻医・研修医)1グループに分かれて、教育をテーマにフリートークをし、学びや悩みの共有をしました。


【全体を通して】
 今回はSPart勉強会では初めての指導医向けの内容でした。これまでは専攻医向けのレクチャー+ポートフォリオ作成支援が主な内容でしたが、今年度は若手部門の毎月の勉強会が始まったことから、大きな変換点を迎えた形です。指導医向けの内容は教育がキーワードになりますが、今回は遠方からの参加者もあり、指導医としては関心の高い領域なのだと実感しました。また、教育というのは指導者と学習者の相互作用から作り出されるものです。今回の勉強会では、学習者の立場からも良い反応がありましたので、今後も年に1回はこのような内容で行っても良さそうだなと感じました。

次回のSPart勉強会は2022年2〜3月頃に行う予定です。
たくさんの方のご参加をお待ちしています!


文責 加藤寿