2021年9月5日日曜日

【開催報告】SPart若手勉強会「多疾患併存」2021.9.2


 今回の参加人数は18名で指導医3名 専門医3名 専攻医4名 研修医5名 学生3名でした。 

上半期振り返り 

前半は4月からの上半期の振り返りを少人数グループに別れて各自発表してもらいました!
その中でコロナ禍での学生さんの実習の様子も聞くことができたこと、そこで生じた疑問に対して他施設の研修医→専攻医→専門医の屋根瓦式で色々な意見交換ができたことはこの会ならではだったのではないでしょうか^^

レクチャー 

テーマ「Multimorbidity:多疾患併存」 講師:高橋慶先生(医療生協埼さいたま 川口診療所) 
バランスモデルでマルモに対応しよう!ということでワークを通じてレクチャーしていただきました。


ポイントとして「整理してバランスをとる」ことをあげてくださいました。
そこで用いるのが下図のバランスモデルです。 



臨床をやっていると生物学的、心理的、社会的な問題が複雑に絡み合った患者さんに出会うことがとても多いです。そんな中で、患者さんのできそうなこと(Capability)と治療負担(Treatment burden)をそれぞれ分解、解釈、検討していくことが「整理してバランスをとること」なんですね!ではマルモってみなさんご存知ですか?





マルモ(Multimorbidity)は上記の図にもあるように「複数の慢性疾患があること」を言います。日本はこれから未曾有の超高齢社会になっていきますが、ガイドラインが使えない症例が増えていくと思われます。そんな困った症例にぜひこの講義の考え方を活用していければいいですね!包括的プロブレムリストを立てることも一つマルモをときほぐすツールですね^^








また「マルモ対応の5原則」が米国老年医学会のガイドラインに記載があります。この5つの原則、特に患者さんの価値観を引き出すことは臨床の現場では非常に難しいと思いますが日々鍛錬ですね・・・!

最後は具体的な仮想の症例を用いて、全体でワークを行いました。
実際どのような言葉で患者さんに問いかければバランスモデルの各項目を引き出せるか?
またどのような介入をすればいい方向にいきそうか、を学生さん研修医専攻医中心にディスカッションを深めていくことができました^^


石川も「アリアドネの原則」や「四則演算モデル」など初めて聞くフレームワークがあり、非常に勉強になりました。興味がある方はぜひ調べてみてください^^
明日からの診療に応用できる貴重なお話ありがとうございました!


今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日の20時00分から 

内容 ■専攻医&研修医の振り返り ■ベテラン&若手指導医のレクチャー ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

次回開催は10月7日(木)20:00〜  
レクチャーテーマ「地域志向ケア」 乞うご期待!