2021年10月7日木曜日

【開催報告】 SPart若手勉強会 「地域志向のケア」 2021.10.7

参加者は、指導医1人、専門医4人、専攻医3人 初期研修医2人、学生4人の14人でした。

レクチャー:「地域志向のケア」 
さいたま市民医療センター 石川輝先生

石川先生が専攻医の時に兵庫県日本海側の小さな町で取り組んだ事例を使いながら地域志向についてご解説くださいました!

         

地域志向性アプローチとは、地域のある特徴(例えば、この地域ではアルコール飲んでいる人が多いので、その依存症が県の他の地域に比べて多い、など) を見出し、その課題に対し、治療や予防、あるいは健康講話等を実施することです。


COPC(community oriented primary care)とは、上記の課題を見出してアプローチをかける際の、4つのステップを図式化したものです。介入の効果を評価することで、次の改善へとつなげます。コミュニティ(地域)の健康問題の同定は専攻医の先生ので判断することは難しい場合がありますので、指導医にどんどん相談してみましょう!



この活動は医師1人でできることではありません。住民・医療・行政をつなげることが必須で(介入者がいなくても地元の人たちで継続できるようになることが重要)、出会い、共感等が重要です。計画・実践・省察を重ねながらそのつながりを大きくしていきます。(「よそもの、わかもの、ばかもの」が地域創生のキーマンとなるかも?!)


振り返り
初期研修医の先生1名、専攻医の先生1名より、3事例の紹介があり、いずれも緩和ケアの事例でした。血液疾患で急激な悪化から死へ至った若い患者に対して、どのように接していくか、あるいは、肝硬変の患者が在宅診療を希望されたときに、在宅診療が困難である考えている医師がどのように医師と患者の関係を維持しながら、お互いの考えをすり合わせていくかといった議論が活発に行われました。また、スピリチュアルペインやACPの話題も盛り上がりました。

今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日 20時開始(予定) 

内容 ■専攻医&研修医の振り返り ■ベテラン&若手指導医のレクチャー ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

次回開催は11月4日(木)20:00~ (予定)  
レクチャーテーマ「予防医療」(ハーモニークリニック高橋毅先生) の予定です!乞うご期待!

文責:田中

2021年10月1日金曜日

【開催報告】SPart Jr. 座談会 SPart❌埼玉医大生「みんなが描く総合診療」2021.9.29

日時:2021年9月29日(水) 19:30-21:00 オンライン開催

参加者:14名(指導医3名、専門医2名、専攻医1名、初期研修医1名、学生6名、事務局1名) 

この度SPartのメンバーと埼玉医大の学生さんとのコラボ企画!

「みんなが描く総合診療」というテーマで座談会を行いました。

Google jam boardを用いて2グループに分かれて自由に総合診療周辺の疑問などをみんなでざっくばらんにディスカッションしました。



グループ石川は①総合診療医のイメージ②総合診療医になって変わったこと③家庭医療学を学ぶことで答えを見つけられるのか?④診療で感情的に深入りしてしまうことはないか?どのように感情をコントロールしているか?などなど話し合いました。学生さんから積極的に色々な質問、意見が聞けてこちらも勉強になりました。少しでも総合診療に興味を持ってもらえると嬉しいです。



グループ田中はテーマを絞らず色々な話題でディスカッションしていますね!「コミュ症の人は総合診療にいないの?」「専門医に送ることでやるせないと思うことは?」など普段授業では聞けないような内容まで踏み込んだ話題が多い印象です。むしろこういうところでいわゆる「ぶっちゃけ話」が聞けるのは楽しいと思います笑






















1年に1-2回、このような座談会をテーマを変えて随時開催していければと思っています!興味のある学生さん、研修医の先生方はぜひご連絡ください^^
また今回参加してくれた学生さんからは「家庭医療学の理論があることに驚きました。。ぜひ学んでみたい!」というご意見もあり、ぜひ毎月開催しているSPart若手勉強会にも参加いただければと思います。

今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日の20時00分から 

内容 ■専攻医&研修医の振り返り ■ベテラン&若手指導医のレクチャー ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

次回開催は10月7日(木)20:00〜  
レクチャーテーマ「地域志向ケア」 乞うご期待!

2021年9月6日月曜日

 【開催報告】第4回SPart勉強会(オンライン) 2021.9.5

テーマ:総合診療・家庭医療専門医プログラムにおける評価方法

日時:2021年9月5日(日) 14:00-17:00 オンライン開催

参加者:25名(指導医15名、専門医3名、専攻医4名、初期研修医2名、事務局1名)

【スタッフ:SPartコアメンバー】
・加藤 寿    秩父市立病院(秩父市) ・関口 由希公  医療生協さいたま 埼玉西協同病院(所沢市) ・高橋 慶    医療生協さいたま 川口診療所(川口市) ・遠井 敬大   my CLINIC(北本市) ・小森 聡子   高橋医院(さいたま市)

【内容】

1、レクチャー1「評価はなんのために?」 高橋 慶(医療生協さいたま 川口診療所)

 教育と評価について、「評価は学習者の学びのためにある(Assesment for learning)」をキーワードにわかりやすく解説していただきました。
個人的にはフィードバック、ティーチング、コーチングの理解が深まったことと、R2C2モデル(Relationship, Reaction, Content, Coarching) が印象的でした。また、コーチングの注意点として、「落とし所を探さない」というのも非常に重要なポイントだなと実感しました。





2、レクチャー2「専門医プログラムの評価制度について」 加藤 寿(秩父市立病院)

 総合診療専門医プログラムと新・家庭医療専門医プログラムの形成的評価(360度評価、Mini-CEX、CbD)に関してお話ししました。特に、CbDに関しては両プログラムで違いが鮮明に出ていることが特徴です。フロアとのディスカッションで、総合診療と家庭医療の両方のプログラムに登録している場合、重複研修期間のCbDは両方の評価表を提出する必要があることがわかりました。この運用に関しては、今後の課題として残りそうです。

 

3、ワーク「CbD:Case-based Discussion」 
 遠井 敬大(my CLINIC)、関口由希公(埼玉西協同病院)、小森聡子(高橋医院)

総合診療と家庭医療のどちらでも形成的評価として指定されているCbDですが、まだまだ一般的に良く理解されていないと思います。今回は、CbDの一般的な説明、ありがちな失敗評価方法の共有、実際にCbDの実践とフィードバックを3グループに分かれて行いました。




イギリスで行われているCbD原法、総合診療プログラムのCbD、家庭医療プログラムのCbDと少しずつ違いがあり、全体理解が難しい領域ではありますが、まずは全体のイメージをつかんいただくこと、まずはやってみることを目標に実施しました。今回、その目標は達成できたのではないかと思います。





4、フリートーク
 指導医2グループ、若手(専門医・専攻医・研修医)1グループに分かれて、教育をテーマにフリートークをし、学びや悩みの共有をしました。


【全体を通して】
 今回はSPart勉強会では初めての指導医向けの内容でした。これまでは専攻医向けのレクチャー+ポートフォリオ作成支援が主な内容でしたが、今年度は若手部門の毎月の勉強会が始まったことから、大きな変換点を迎えた形です。指導医向けの内容は教育がキーワードになりますが、今回は遠方からの参加者もあり、指導医としては関心の高い領域なのだと実感しました。また、教育というのは指導者と学習者の相互作用から作り出されるものです。今回の勉強会では、学習者の立場からも良い反応がありましたので、今後も年に1回はこのような内容で行っても良さそうだなと感じました。

次回のSPart勉強会は2022年2〜3月頃に行う予定です。
たくさんの方のご参加をお待ちしています!


文責 加藤寿

2021年9月5日日曜日

【開催報告】SPart若手勉強会「多疾患併存」2021.9.2


 今回の参加人数は18名で指導医3名 専門医3名 専攻医4名 研修医5名 学生3名でした。 

上半期振り返り 

前半は4月からの上半期の振り返りを少人数グループに別れて各自発表してもらいました!
その中でコロナ禍での学生さんの実習の様子も聞くことができたこと、そこで生じた疑問に対して他施設の研修医→専攻医→専門医の屋根瓦式で色々な意見交換ができたことはこの会ならではだったのではないでしょうか^^

レクチャー 

テーマ「Multimorbidity:多疾患併存」 講師:高橋慶先生(医療生協埼さいたま 川口診療所) 
バランスモデルでマルモに対応しよう!ということでワークを通じてレクチャーしていただきました。


ポイントとして「整理してバランスをとる」ことをあげてくださいました。
そこで用いるのが下図のバランスモデルです。 



臨床をやっていると生物学的、心理的、社会的な問題が複雑に絡み合った患者さんに出会うことがとても多いです。そんな中で、患者さんのできそうなこと(Capability)と治療負担(Treatment burden)をそれぞれ分解、解釈、検討していくことが「整理してバランスをとること」なんですね!ではマルモってみなさんご存知ですか?





マルモ(Multimorbidity)は上記の図にもあるように「複数の慢性疾患があること」を言います。日本はこれから未曾有の超高齢社会になっていきますが、ガイドラインが使えない症例が増えていくと思われます。そんな困った症例にぜひこの講義の考え方を活用していければいいですね!包括的プロブレムリストを立てることも一つマルモをときほぐすツールですね^^








また「マルモ対応の5原則」が米国老年医学会のガイドラインに記載があります。この5つの原則、特に患者さんの価値観を引き出すことは臨床の現場では非常に難しいと思いますが日々鍛錬ですね・・・!

最後は具体的な仮想の症例を用いて、全体でワークを行いました。
実際どのような言葉で患者さんに問いかければバランスモデルの各項目を引き出せるか?
またどのような介入をすればいい方向にいきそうか、を学生さん研修医専攻医中心にディスカッションを深めていくことができました^^


石川も「アリアドネの原則」や「四則演算モデル」など初めて聞くフレームワークがあり、非常に勉強になりました。興味がある方はぜひ調べてみてください^^
明日からの診療に応用できる貴重なお話ありがとうございました!


今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日の20時00分から 

内容 ■専攻医&研修医の振り返り ■ベテラン&若手指導医のレクチャー ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

次回開催は10月7日(木)20:00〜  
レクチャーテーマ「地域志向ケア」 乞うご期待!

2021年8月11日水曜日

【開催報告】SPart若手勉強会「複雑困難事例のケア」2021.8.5

今回の参加人数は15名で指導医1名 専攻医9名(うち専門医試験終了3名) 研修医3名 学生2名でした。 

振り返り 


事例提供者:専攻医1年目
事例:誤嚥性肺炎を繰り返すようになった、40代の脳性麻痺の事例をご紹介いただきました。出生時から精神発達遅滞があり、どのように方針決定するのか、親の立場、本人の立場に立ちながら様々な視点から検討しました!


事例提供者:専攻医1年目
事例:30代女性 摂食障害、過食症の入院事例。過去に入院歴があり、今回も過食、嘔吐を繰り返し腹部膨満感に耐えられず入院。BMIは11で電解質異常、仙骨部に褥瘡あり、かなりヘビーな症例。専攻医やスタッフが患者、家族に陰性感情を抱きやすい状況でかなり苦労した症例だったと思います。 摂食障害の患者さんに対する医学的な対応だけでなく、精神面でどのような対応ができたか。本人、家族の病気に対する認識がどうだったのかなどなど振り返ることができました。

以下専攻医の先生のコメントです!
すごーくモヤモヤしてた症例ではあったんですが、振り返る機会を失って埋もれてしまっていた症例でした。今更かなとか、ただの愚痴になりそうだな、と思っていたのですが…
先生方に「良く頑張ったと思う」とか「ポートフォリオになるのでは」とか、資料も頂いたりしてとても勉強になりました。特に自分の無力感とか陰性感情が生じた症例だったこともあり、自分の心の整理になったのと「こういうのがポートフォリオになるのか」という気づきも得られました!
→嬉しいコメントです!他施設の指導医や先輩、同級生から色々な視点で振り返りをしてもらえる機会はそうありませんのでこれからも活用してもらえると良いですね^^

レクチャー 

テーマ「複雑困難事例のケア」 講師:村田信也先生(さいたま市民医療センター) 
「複雑困難事例のケア」の基本を症例を通してレクチャーしていただきました。 

図にもあるように、ひとくくりに困難事例と言っても
①患者②医療者③環境の3つの要因がそれぞれ関わっているんですね!陰性感情が芽生えた時やなんかうまくいかない・・・という時は何が困難たらしめているのかを振り返ることで突破口が見出せそうです。 


かなりインパクトのある症例をドラゴンクエスト風に解説していただきました笑
実際自分が担当したらどこから手をつければいいんだろうと誰もが悩む症例ですね・・・まさにchaotic!多職種と協働しながら問題を整理して、諦めず良い着地点を見つけていく姿勢に感動しました!

今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日の20時00分から 

内容 ■専攻医&研修医の振り返り ■ベテラン&若手指導医のレクチャー ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

次回開催は9月2日(木)20:00〜  
レクチャーテーマ「多疾患併存」 乞うご期待!