2021年12月3日金曜日

【開催報告】SPart若手勉強会 「スパイロメトリー」「ウィメンズヘルス」

 参加者は、指導医1人、専門医4人、専攻医1人 初期研修医1人、学生2人の9人でした。

今回はレクチャー2本立てでした!

レクチャー:「スパイロメトリー」 
さいたま市民医療センター 石川輝先生

呼吸機能検査の結果をみるときに、右上の閉塞性・拘束性の図をみて終わっていませんか?
流量、肺気量、フローボリューム曲線について、スパイログラムとの関連性も示しながら解説いただきました!その検査を有効性を判断することの重要性を学びました!





レクチャー:「ウィメンズヘルス」 
埼玉医科大学 熊川友子先生

なかなか聞きづらい性交歴の聴取に関する症例の提示から、問診の5P's(partners, practices, protection from STIs, past history, prevention from pregnancy) の紹介


そしてウィメンズヘルスでプライマリケア医ができる事についての解説と、普段の診療で実践している事、思う事について参加者とともに共有しました!



今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日 20時開始(予定) 

内容 ■専攻医&研修医の振り返り ■ベテラン&若手指導医のレクチャー ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

次回開催は1月6日(木)20:00~ (予定)  
僭越ながら狭山厚生病院田中がレクチャー予定です!どうぞよろしくお願いいたします!

文責:田中

2021年11月4日木曜日

【開催報告】 SPart若手勉強会 「予防医学と健康増進/ヘルスメンテナンス」 2021.11.4

 参加者は、指導医3人、専門医2人、専攻医2人 初期研修医3人、学生2人の12人でした。


レクチャー:「予防医学と健康増進/ヘルスメンテナンス」 
ハーモニークリニック 高橋毅先生

高橋先生より予防医学と健康増進/ヘルスメンテナンスに関してのレクチャーをしていただきました。

ヘルスメンテナンスというと皆さん何を思い浮かべますか?
健診とか予防注射などを思い浮かべると思うのですが、ヘルスメンテナンスの4要素というものがあってその中にはカウンセリングなども含まれているんですよね〜家庭医療学では行動変容などを扱うこともあり親和性があり、ぼくらの得意分野でもあります。



予防医療こそ「利益が害を上回る明確な根拠が必要」とEBMの父 David Sackettも言っていますが、いうなれば予防医療は「おせっかい医療」かもしれませんね。

ヘルスメンテナンスのためのリソースにはどんなものがあるでしょう。
よく使われるのがアメリカのUSPSTF(U.S.Preventive Services Task Force) ⽶国予防医療サービス専⾨作業部会ですよね。スマホのアプリにもなっていて筆者もよくお世話になっています。ただアメリカと日本の違いも多々みられるので検査内容はよく吟味が必要です。日本でも亀田クリニックや滋賀家庭医療学センター様から便利なリソースが掲載されており、とても勉強になりました。

高橋先生からみる日本の健診システムの問題点も共有してもらいました。
個人の問題というよりもシステムの問題が大きいのかもしれないですが、家庭医が最も予防医療に力を入れていることは間違いないのでこれからも研鑽を積んでいくしかないですね!!



機会を逃さない予防医療!まさにこれだと思います。忙しい外来や入院したタイミングなどでコツコツと予防医療を提供していくことがぼくらには求められているんですね^^

振り返り
専攻医1名の先生、研修医2年目の先生から2事例を検討しました。脳梗塞後の方の多職種協働の症例と小児科の複雑困難症例を扱いました。多職種協働に関しては「多職種連携コンピテンシー」や「サーバントリーダーシップ」などの話題で盛り上がりました。小児科の複雑困難症例に関しては家庭内暴力などもある非常に難しい症例で、こちらも多職種で協働し、1人で抱え込まないことが大切で、燃え尽きないことも医療者自身のケアとして大事という話をしました。

今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日 20時開始(予定) 

内容 ■専攻医&研修医の振り返り ■ベテラン&若手指導医のレクチャー ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

次回開催は12月2日(木)20:00~ (予定)  
埼玉医大総合診療科熊川先生のレクチャー予定です!
乞うご期待!
文責:石川





2021年10月7日木曜日

【開催報告】 SPart若手勉強会 「地域志向のケア」 2021.10.7

参加者は、指導医1人、専門医4人、専攻医3人 初期研修医2人、学生4人の14人でした。

レクチャー:「地域志向のケア」 
さいたま市民医療センター 石川輝先生

石川先生が専攻医の時に兵庫県日本海側の小さな町で取り組んだ事例を使いながら地域志向についてご解説くださいました!

         

地域志向性アプローチとは、地域のある特徴(例えば、この地域ではアルコール飲んでいる人が多いので、その依存症が県の他の地域に比べて多い、など) を見出し、その課題に対し、治療や予防、あるいは健康講話等を実施することです。


COPC(community oriented primary care)とは、上記の課題を見出してアプローチをかける際の、4つのステップを図式化したものです。介入の効果を評価することで、次の改善へとつなげます。コミュニティ(地域)の健康問題の同定は専攻医の先生ので判断することは難しい場合がありますので、指導医にどんどん相談してみましょう!



この活動は医師1人でできることではありません。住民・医療・行政をつなげることが必須で(介入者がいなくても地元の人たちで継続できるようになることが重要)、出会い、共感等が重要です。計画・実践・省察を重ねながらそのつながりを大きくしていきます。(「よそもの、わかもの、ばかもの」が地域創生のキーマンとなるかも?!)


振り返り
初期研修医の先生1名、専攻医の先生1名より、3事例の紹介があり、いずれも緩和ケアの事例でした。血液疾患で急激な悪化から死へ至った若い患者に対して、どのように接していくか、あるいは、肝硬変の患者が在宅診療を希望されたときに、在宅診療が困難である考えている医師がどのように医師と患者の関係を維持しながら、お互いの考えをすり合わせていくかといった議論が活発に行われました。また、スピリチュアルペインやACPの話題も盛り上がりました。

今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日 20時開始(予定) 

内容 ■専攻医&研修医の振り返り ■ベテラン&若手指導医のレクチャー ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

次回開催は11月4日(木)20:00~ (予定)  
レクチャーテーマ「予防医療」(ハーモニークリニック高橋毅先生) の予定です!乞うご期待!

文責:田中

2021年10月1日金曜日

【開催報告】SPart Jr. 座談会 SPart❌埼玉医大生「みんなが描く総合診療」2021.9.29

日時:2021年9月29日(水) 19:30-21:00 オンライン開催

参加者:14名(指導医3名、専門医2名、専攻医1名、初期研修医1名、学生6名、事務局1名) 

この度SPartのメンバーと埼玉医大の学生さんとのコラボ企画!

「みんなが描く総合診療」というテーマで座談会を行いました。

Google jam boardを用いて2グループに分かれて自由に総合診療周辺の疑問などをみんなでざっくばらんにディスカッションしました。



グループ石川は①総合診療医のイメージ②総合診療医になって変わったこと③家庭医療学を学ぶことで答えを見つけられるのか?④診療で感情的に深入りしてしまうことはないか?どのように感情をコントロールしているか?などなど話し合いました。学生さんから積極的に色々な質問、意見が聞けてこちらも勉強になりました。少しでも総合診療に興味を持ってもらえると嬉しいです。



グループ田中はテーマを絞らず色々な話題でディスカッションしていますね!「コミュ症の人は総合診療にいないの?」「専門医に送ることでやるせないと思うことは?」など普段授業では聞けないような内容まで踏み込んだ話題が多い印象です。むしろこういうところでいわゆる「ぶっちゃけ話」が聞けるのは楽しいと思います笑






















1年に1-2回、このような座談会をテーマを変えて随時開催していければと思っています!興味のある学生さん、研修医の先生方はぜひご連絡ください^^
また今回参加してくれた学生さんからは「家庭医療学の理論があることに驚きました。。ぜひ学んでみたい!」というご意見もあり、ぜひ毎月開催しているSPart若手勉強会にも参加いただければと思います。

今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日の20時00分から 

内容 ■専攻医&研修医の振り返り ■ベテラン&若手指導医のレクチャー ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

次回開催は10月7日(木)20:00〜  
レクチャーテーマ「地域志向ケア」 乞うご期待!

2021年9月6日月曜日

 【開催報告】第4回SPart勉強会(オンライン) 2021.9.5

テーマ:総合診療・家庭医療専門医プログラムにおける評価方法

日時:2021年9月5日(日) 14:00-17:00 オンライン開催

参加者:25名(指導医15名、専門医3名、専攻医4名、初期研修医2名、事務局1名)

【スタッフ:SPartコアメンバー】
・加藤 寿    秩父市立病院(秩父市) ・関口 由希公  医療生協さいたま 埼玉西協同病院(所沢市) ・高橋 慶    医療生協さいたま 川口診療所(川口市) ・遠井 敬大   my CLINIC(北本市) ・小森 聡子   高橋医院(さいたま市)

【内容】

1、レクチャー1「評価はなんのために?」 高橋 慶(医療生協さいたま 川口診療所)

 教育と評価について、「評価は学習者の学びのためにある(Assesment for learning)」をキーワードにわかりやすく解説していただきました。
個人的にはフィードバック、ティーチング、コーチングの理解が深まったことと、R2C2モデル(Relationship, Reaction, Content, Coarching) が印象的でした。また、コーチングの注意点として、「落とし所を探さない」というのも非常に重要なポイントだなと実感しました。





2、レクチャー2「専門医プログラムの評価制度について」 加藤 寿(秩父市立病院)

 総合診療専門医プログラムと新・家庭医療専門医プログラムの形成的評価(360度評価、Mini-CEX、CbD)に関してお話ししました。特に、CbDに関しては両プログラムで違いが鮮明に出ていることが特徴です。フロアとのディスカッションで、総合診療と家庭医療の両方のプログラムに登録している場合、重複研修期間のCbDは両方の評価表を提出する必要があることがわかりました。この運用に関しては、今後の課題として残りそうです。

 

3、ワーク「CbD:Case-based Discussion」 
 遠井 敬大(my CLINIC)、関口由希公(埼玉西協同病院)、小森聡子(高橋医院)

総合診療と家庭医療のどちらでも形成的評価として指定されているCbDですが、まだまだ一般的に良く理解されていないと思います。今回は、CbDの一般的な説明、ありがちな失敗評価方法の共有、実際にCbDの実践とフィードバックを3グループに分かれて行いました。




イギリスで行われているCbD原法、総合診療プログラムのCbD、家庭医療プログラムのCbDと少しずつ違いがあり、全体理解が難しい領域ではありますが、まずは全体のイメージをつかんいただくこと、まずはやってみることを目標に実施しました。今回、その目標は達成できたのではないかと思います。





4、フリートーク
 指導医2グループ、若手(専門医・専攻医・研修医)1グループに分かれて、教育をテーマにフリートークをし、学びや悩みの共有をしました。


【全体を通して】
 今回はSPart勉強会では初めての指導医向けの内容でした。これまでは専攻医向けのレクチャー+ポートフォリオ作成支援が主な内容でしたが、今年度は若手部門の毎月の勉強会が始まったことから、大きな変換点を迎えた形です。指導医向けの内容は教育がキーワードになりますが、今回は遠方からの参加者もあり、指導医としては関心の高い領域なのだと実感しました。また、教育というのは指導者と学習者の相互作用から作り出されるものです。今回の勉強会では、学習者の立場からも良い反応がありましたので、今後も年に1回はこのような内容で行っても良さそうだなと感じました。

次回のSPart勉強会は2022年2〜3月頃に行う予定です。
たくさんの方のご参加をお待ちしています!


文責 加藤寿

2021年9月5日日曜日

【開催報告】SPart若手勉強会「多疾患併存」2021.9.2


 今回の参加人数は18名で指導医3名 専門医3名 専攻医4名 研修医5名 学生3名でした。 

上半期振り返り 

前半は4月からの上半期の振り返りを少人数グループに別れて各自発表してもらいました!
その中でコロナ禍での学生さんの実習の様子も聞くことができたこと、そこで生じた疑問に対して他施設の研修医→専攻医→専門医の屋根瓦式で色々な意見交換ができたことはこの会ならではだったのではないでしょうか^^

レクチャー 

テーマ「Multimorbidity:多疾患併存」 講師:高橋慶先生(医療生協埼さいたま 川口診療所) 
バランスモデルでマルモに対応しよう!ということでワークを通じてレクチャーしていただきました。


ポイントとして「整理してバランスをとる」ことをあげてくださいました。
そこで用いるのが下図のバランスモデルです。 



臨床をやっていると生物学的、心理的、社会的な問題が複雑に絡み合った患者さんに出会うことがとても多いです。そんな中で、患者さんのできそうなこと(Capability)と治療負担(Treatment burden)をそれぞれ分解、解釈、検討していくことが「整理してバランスをとること」なんですね!ではマルモってみなさんご存知ですか?





マルモ(Multimorbidity)は上記の図にもあるように「複数の慢性疾患があること」を言います。日本はこれから未曾有の超高齢社会になっていきますが、ガイドラインが使えない症例が増えていくと思われます。そんな困った症例にぜひこの講義の考え方を活用していければいいですね!包括的プロブレムリストを立てることも一つマルモをときほぐすツールですね^^








また「マルモ対応の5原則」が米国老年医学会のガイドラインに記載があります。この5つの原則、特に患者さんの価値観を引き出すことは臨床の現場では非常に難しいと思いますが日々鍛錬ですね・・・!

最後は具体的な仮想の症例を用いて、全体でワークを行いました。
実際どのような言葉で患者さんに問いかければバランスモデルの各項目を引き出せるか?
またどのような介入をすればいい方向にいきそうか、を学生さん研修医専攻医中心にディスカッションを深めていくことができました^^


石川も「アリアドネの原則」や「四則演算モデル」など初めて聞くフレームワークがあり、非常に勉強になりました。興味がある方はぜひ調べてみてください^^
明日からの診療に応用できる貴重なお話ありがとうございました!


今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日の20時00分から 

内容 ■専攻医&研修医の振り返り ■ベテラン&若手指導医のレクチャー ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

次回開催は10月7日(木)20:00〜  
レクチャーテーマ「地域志向ケア」 乞うご期待!

2021年8月11日水曜日

【開催報告】SPart若手勉強会「複雑困難事例のケア」2021.8.5

今回の参加人数は15名で指導医1名 専攻医9名(うち専門医試験終了3名) 研修医3名 学生2名でした。 

振り返り 


事例提供者:専攻医1年目
事例:誤嚥性肺炎を繰り返すようになった、40代の脳性麻痺の事例をご紹介いただきました。出生時から精神発達遅滞があり、どのように方針決定するのか、親の立場、本人の立場に立ちながら様々な視点から検討しました!


事例提供者:専攻医1年目
事例:30代女性 摂食障害、過食症の入院事例。過去に入院歴があり、今回も過食、嘔吐を繰り返し腹部膨満感に耐えられず入院。BMIは11で電解質異常、仙骨部に褥瘡あり、かなりヘビーな症例。専攻医やスタッフが患者、家族に陰性感情を抱きやすい状況でかなり苦労した症例だったと思います。 摂食障害の患者さんに対する医学的な対応だけでなく、精神面でどのような対応ができたか。本人、家族の病気に対する認識がどうだったのかなどなど振り返ることができました。

以下専攻医の先生のコメントです!
すごーくモヤモヤしてた症例ではあったんですが、振り返る機会を失って埋もれてしまっていた症例でした。今更かなとか、ただの愚痴になりそうだな、と思っていたのですが…
先生方に「良く頑張ったと思う」とか「ポートフォリオになるのでは」とか、資料も頂いたりしてとても勉強になりました。特に自分の無力感とか陰性感情が生じた症例だったこともあり、自分の心の整理になったのと「こういうのがポートフォリオになるのか」という気づきも得られました!
→嬉しいコメントです!他施設の指導医や先輩、同級生から色々な視点で振り返りをしてもらえる機会はそうありませんのでこれからも活用してもらえると良いですね^^

レクチャー 

テーマ「複雑困難事例のケア」 講師:村田信也先生(さいたま市民医療センター) 
「複雑困難事例のケア」の基本を症例を通してレクチャーしていただきました。 

図にもあるように、ひとくくりに困難事例と言っても
①患者②医療者③環境の3つの要因がそれぞれ関わっているんですね!陰性感情が芽生えた時やなんかうまくいかない・・・という時は何が困難たらしめているのかを振り返ることで突破口が見出せそうです。 


かなりインパクトのある症例をドラゴンクエスト風に解説していただきました笑
実際自分が担当したらどこから手をつければいいんだろうと誰もが悩む症例ですね・・・まさにchaotic!多職種と協働しながら問題を整理して、諦めず良い着地点を見つけていく姿勢に感動しました!

今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日の20時00分から 

内容 ■専攻医&研修医の振り返り ■ベテラン&若手指導医のレクチャー ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

次回開催は9月2日(木)20:00〜  
レクチャーテーマ「多疾患併存」 乞うご期待!

2021年8月1日日曜日

【参加者募集中!】第4回SPart埼玉勉強会(オンライン)開催

 今年も開催!埼玉プライマリ・ケアの祭典

第4回SPart埼玉勉強会(オンライン)

テーマ:総合診療・家庭医療専門医プログラムにおける評価方法

~医学における教育と評価について学び、より質の高い教育を実践しよう!~


<開催要項>
日時:2021年9月5日(日)13:45受付開始 14:00開会 17:00終了予定
開始時間変更いたしました
会場:オンライン(Zoomミーティングを使用します)
参加費:無料
参加対象:指導医(総合診療、家庭医療)、専攻医、そのほか、ご興味のある方はどなたでも参加できます。
☆主に指導者を対象とした内容ですが、教育を受ける側の専攻医の先生方も、評価方法の本質を知ることで、より深い学びを得ることができるようになります。

参加申込方法:こちらのフォームよりお願いします

日本プライマリ・ケア連合学会 単位付与
■専門医・認定医更新のための単位     2単位
■プライマリ・ケア認定薬剤師の認定単位  1単位
■Off-the-jobトレーニングの認定単位    2単位 領域:教育

【内容】
1、コアレクチャー「評価は何のために?」
 教育とは何か、評価とはどのような目的で何を行うかなど、教育と評価についての基本的知識を学びます
2、制度説明 「総合診療_家庭医療の専門医プログラムの評価について」
 なかなかわかりづらい「総合診療」と「家庭医療」の専門医プログラムの評価方法(mini-CEX, 360度評価、CbD)について相違も含めて解説します
3、ワーク「ケースに基づくディスカッション CbD:Case-based Discussion」
 プログラムで指定されている評価方法であるCbDについて詳しく学び、模擬実践することで、明日からの教育実践につなげます
4、フリートーク
 指導医、専攻医に分かれて、教育をテーマにフリートークをし、学びや悩みの共有をします。

【スケジュール(予定)】
13:45 受付開始(Zoom入室開始)
14:00    開会、自己紹介 
14:15  レクチャー1 「教育、評価とは」
    髙橋慶先生(医療生協さいたま川口診療所)
             レクチャー2 「専門医プログラムの評価制度について」
               加藤寿先生(秩父市立病院)
14:45  ワーク(CbD:Case-based discussion ) 
    遠井敬大先生(my CLINIC)
    関口由希公先生(医療生協さいたま埼玉西協同病院)
    小森聡子先生(高橋医院)
    ■CbDについて  ■しくじり評価方法 ■質疑応答
   グループワーク「CbDを実際にやってみよう!」
    ■フィードバック ■全体共有    
16:30  フリートーク 「教育について」(専攻医グループ、指導医グループ)
17:00  閉会挨拶、アンケート

【スタッフ:SPartコアメンバー】
・加藤 寿    秩父市立病院(秩父市) ・関口 由希公  医療生協さいたま 埼玉西協同病院(所沢市) ・高橋 慶    医療生協さいたま 川口診療所(川口市) ・遠井 敬大   my CLINIC(北本市) ・小森 聡子   高橋医院(さいたま市)

(事務局お問合せ)
SPart事務局 芦野 朱(あしのあい)


【SPart活動のご紹介】
 勉強会の運営をする『SPart(すぱーと)』は2019年に埼玉県内のプライマリ・ケア医、家庭医有志が集まり、「埼玉県内のプライマリ・ケアに関わる人たちが専攻医や多職種への教育を通じて学び合い、ケアの質向上や相互の交流ができる機会を作ること」を目的に活動を始めたチームです。
2020年度からは日本プライマリ・ケア連合学会埼玉県支部より正式な承認いただき活動をしています。
現在ではコアメンバーを中心に2つの学習企画を運営しています。
■SPart若手勉強会
毎月1回(第1木曜日)埼玉県内の総診/家庭医療プログラムに所属する専攻医・指導医、埼玉県にゆかりのある初期研修医・医学生が集まり、プログラムを超えて、振り返りやレクチャーを開催しています。
■SPart埼玉勉強会
2019年埼玉県内の総診/家庭医療専攻医のポートフォリオ指導を埼玉県内の指導医がプログラムを超えて実施したのが始まりです。
現在は年2回の学習企画をコアメンバーの元、企画・運営し、埼玉県内のプライマリ・ケアに関わる皆様が参加できる内容で開催しています。

2021年7月1日木曜日

【開催報告】SPart若手勉強会  「家族志向のケア」 2021.7.1 

 【開催報告】SPart若手勉強会 2021.7.1

今回の参加人数は13名(うち専攻医6名、研修医2名、学生1名)でした。

 

振り返り

事例提供者:専攻医1年目

事例:80歳代 女性

 COVID -19で夜間に転院搬送となった事例。最初はちょっとモヤっとしたが、上級医が背景情報をうまく引き出すことで、陰性感情をうまく対処できた。家族に病状説明、治療方針の意思決定支援をする際に、客観的データを提示しながら、背景情報にも考慮して説明することが重要と認識したとの振り返りでした。

実際には高齢者のCOVID -19治療なので、どこまで治療すべきか、医師の采配で治療の上限を設定するかどうか、とても難しい問題だなと感じました。

 

事例提供者:専攻医3年目

事例:70歳代 男性

人口5万人の離島での事例。病院嫌いの患者。転倒、肺炎での入院から進行性核上性麻痺を疑っている。島内の神経内科受診に2ヶ月かかる、嚥下障害で普通食が食べられない。KPの妻は認知症あり。本島に娘2人住んでいるが、本人、家族(妻、娘)の意向が全てバラバラ。さて、どうする?

最終的には終末期の意思決定支援につながる事例でした。離島という限られた医療資源の中で、どのようにマネジメントしていくかはとても難しい事例でしたが、活発な意見交換が行われました。個人的には、埼玉県の勉強会で離島の事例の検討ができるなんて、なんて贅沢なんだと思いました。

 

 

レクチャー

テーマ:家族志向のケア

講師:大塚貴博先生(あけとクリニック)


「家族志向のケア」の基本をわかりやすく教えていただきました。実践する際にキーとなるのが「家族図」「家族のライフサイクル」であり、ゴールとしては「患者家族の不安を減らすこと」「家族の自律性が回復すること」2つです。


家族志向のケアのゴールが「家族の自律性が回復すること」というのはとても重要なことです。それぞれの家族の「自律性」は本当にいろいろなパターンがあると思います。我々医師は、知らず知らずのうちに自分の価値観、自分の家族の価値観、今までに経験した家族のパターンなどと照らし合わせて、目の前の家族の価値づけをしてしまいがちです。目の前の家族がどういう状況になれば、自律性を保てるのか。今回、レクチャーの冒頭で参加者に「あなたにとって家族とは?」という問いかけに、本当にさまざまな答えが出てきたように、家族の姿は一つとして同じものがないと肝に銘じておきたいものです。

 

 

今年度SPartの若手勉強会は毎月第1木曜日の2030から


内容

専攻医&研修医の振り返り

ベテラン&若手指導医のレクチャー 




ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!



次回開催は85日(木)2030〜 


レクチャーテーマ「複雑困難事例」


乞うご期待!

 

2021年6月5日土曜日

【開催報告】SPart若手勉強会「障害とリハビリテーション」2021.6.3

今回の参加人数は20名(うち専攻医7名、研修医6名、学生1名)でした。 

振り返り

事例提供者:専攻医1年目 
事例:80歳代 男性
 血液疾患の診断目的で入院された患者さんが、偶発的に重篤な併存症を発症。徐々に状態が悪くなっていく中で、本来の予後とはかけ離れた状態になっていくことへの無念さ、併存疾患を発見に対する葛藤、本人が意思決定できない中での家族との診療方針決定の難しさなどを臨床倫理の4分割法、SEA、コルブの経験学習モデルなど多くのフレームワークを使って振り返っていただきました。参加者からの質問とのやりとりの中で、徐々に事例提供者の中でも、自分が何にモヤモヤしていたのかが整理されたとのこと。とても大変だった事例だからこそ、多くの学びもあったようです。 
 個人的には、多職種連携として看護師の気付きを大事にするという学びには、とても共感しました。病棟では、我々医師よりも看護師の方が何倍も患者さんと接する時間が長く、その看護師が「あれ、いつもと違う」と感じたことはきちんと確かめたほうが良いと思います。もちろん、夜間とか休日の当直中に電話で呼ばれた時も、ですね。 


レクチャー

テーマ:障害とリハビリテーション 
講師:田中政任先生(関越会南町クリニック)
  ICF(国際生活機能分類)の歴史から使い方、そしてリハビリの実践までわかりやすく説明いただきました。特にリハビリを実践する際のSMART(Specific, Measurable, Attainable, Realistic, Timely)な目標設定の重要性に関しては多くの方の学びになったと思います。現在の医療制度では医師がリハビリを処方して療法士が実践するわけですが、実際のところ医師がリハビリテーションをきちんと学ぶ場は皆無です(少なくとも私の年代では)。
 個人的にはリハビリの専門的知識を全て理解することは必要ないと思っていますが、少なくとも療法士と議論できるくらいの知識は持っておかないといけないと感じています。やはり、もう少し勉強しなくてはと課題に気づかせていただきました。


 今年度SPartの若手会は毎月第1木曜日の21時からオンラインで開催しています。

内容
■専攻医&研修医の振り返り 
■ベテラン&若手指導医のレクチャー 

ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますので、ぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています! 

次回開催は
7月1日(木)21:00〜 テーマ「家族志向のケア」です。
乞うご期待! 

 秩父市立病院 加藤寿



2021年5月7日金曜日

【開催報告】SPart若手勉強会「患者中心の医療の方法 PCCM」2021.5.6

今回はさいたま市民医療センター内科の石川がお送りします!

今年度SPartの若手会は毎月第1木曜日の21時から

■専攻医&研修医の振り返り

■ベテラン&若手指導医のレクチャー 

の2本立てでお送りしていきます。オンラインでの勉強会、本当に便利です^^今回の参加人数は16名、専攻医8名、初期研修医3名でした。

家庭医療/総合診療専攻医の学びの場となるだけでなく、埼玉県内の横の繋がりができることで今後のキャリアプランを相談できたりするのがとっても楽しいです!持つべきは仲間ですね笑

ゆるーく、継続性のある会にしていきたいと思っていますのでぜひ埼玉にゆかりのあるベテランの先生方、研修医の先生、学生さんの参加をお待ちしています!

図1.
図1.
振り返りは2症例。研修医の先生、専攻医の先生から日々のもやもや症例を提示をしてもらいました。どちらも認知症や脳出血によって意思決定が困難な患者さんに対してどのように接していくかというテーマでした。病態の考察だけでなく、陰性感情の付き合い方やDifficult patientとの付き合い方、接遇のポイント、家族志向ケアの話など色々な話題がでて、学びが多い振り返りでした。色々な先生方の視点が入ることで学びが倍倍になっていく感じが振り返りをやっていてとても楽しいです!

レクチャー 今回は秩父市立病院の総合診療科、加藤寿先生に

「患者中心の医療の方法 PCCM」レクチャーをしていただきました。医師であれば、図1. にあるような場面はどなたでも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?そんな時、解決策の一つになるかもしれないのがこのPCCM(Patient Centered Clinical Method)なんですね。図2. にその全貌が書かれていますがブログにはその一部を紹介したいと思います。



図2.
「疾患」「病い」の違いを説明できますか??疾患は「生物医学的な構造や機能の不全」と言われるように客観的なものに対して、病いというのは「個々人が病気に関してもつ意味」すなわち「物語」です。能力の喪失や機能不全をめぐる人間的経験(human experience)とも言われます。ぼくらが「疾患」を診断し患者さんが「病い」を経験する。そこでぼくらが患者さんの「病い体験」に想いを馳せることが「患者中心の医療の方法」を体現する第一歩なのかもしれません。

図3.
では具体的にではどのように患者さんの「病い体験」を聴取すればいいでしょうか。図3. には具体的な質問方法も含めて書かれています。家庭医療を学ぶ上で欠かせない「か・き・か・え」通称「FIFE(feeling idea function expectation)」といわれるものです。これらの質問を義務のように聞くことが目的ではありません。コミュニケーションの中で自然に聞いていくことが大切です。疾患をみて治療するだけでなく、患者さんの想いに寄り添った医療ができると良いですね。


石川の個人的な感想

加藤先生の講義の中で一番印象に残ったのは、「健康」とはなんぞや?というお話です。1947年にWHO、世界保健機関が約70年以上も前に健康とは!って定義したわけなんですが、それ以降改訂はないんですね。

「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に
良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」
みたいな日本語訳なのですが、
例えば肺がんのある方で身寄りがいない孤独な人は健康ではないのか?
完全に良好な状態じゃない人は健康じゃない??難しい問題です。
人それぞれ「生きがい」や「健康観」「価値観」は異なるもので
一概に病気の有無やその重症度で健康かどうかを判断するのは難しい、、
みなさんどう思いますか??という加藤先生の問いは考えさせられました。
次回は6月3日、関越病院の田中先生による「障害とリハビリテーション」のレクチャーです!
乞うご期待^^
文責:さいたま市民医療センター内科 石川輝










2021年2月14日日曜日

〔開催報告〕SPart埼玉勉強会-2021.2.14-

 2/14 SPart埼玉勉強会開催しました

2021年2月14日(日)13:00~ 20名の専攻医、指導医が参加しオンラインで開催しました。埼玉県出身の初期研修医の方も参加してくれました。

SPartの勉強会は以前より開催されていた「埼玉ポートフォリオ発表会」から数えると、6回目の開催となります。
2020年度から「SPart」として開催しています。

今回の勉強会テーマは
「家庭医療のフレームワークを使った事例カンファレンス」
「総合診療医・家庭医療専門医 制度レクチャー」
「フリートーク:専攻医のお部屋、指導医のお部屋」
の3本柱で開催しました。

☆事例紹介

今回は2名の専攻医の先生から事例提供をしてもらいました。
家庭的な思考で事例にどう適用展開していくかを参加した指導医、専攻医と一緒に考えながら問題解決のヒントを探るセッションを行いました。
家庭医療のフレームワークをどう使って考えるかは専攻医にとっても新鮮な学びになったようでした。
また、高学年の専攻医にとっては、ポートフォリオ領域についてのヒントも得たセッションになったようです。

☆制度レクチャー

総合診療医? 新・家庭医療専門医? 専門医機構? プライマリ・ケア連合学会?
日本のプライマリ・ケア領域における歴史と制度について学ぶレクチャーをしていただきました。
総合診療専門医と新家庭医療専門医の関係性と最新の動向、制度的な部分など、わかりやすく説明していただきました。

☆交流も楽しみ!

最後は専攻医、指導医と分かれてフリートーク。
指導医は家庭医らしい、ひろく興味深い分野からの情報提供。
専攻医は「家庭医/総合診療医のキャリア」について指導医からお話を伺っていました。


ゆるくゆるく続けていくこと

SPartの歩みはこれからです。
無理なくゆるく、楽しく続けていければと思っています。

参加いただいた皆様、ありがとうございました。









2021年2月12日金曜日

ブログをはじめました

 SPart ブログをはじめました

こんにちは。SPart〔すぱーと〕です。
私たちは 2019 年に埼玉県内のプライマリ・ケア医、家庭医有志が集まり、「埼玉県
内のプライマリ・ケアに関わる人たちが専攻医や多職種への教育を通じて学び合い、ケアの質向上や相互の交流ができる機会を作ること」を目的に活動を始めたチームです。
これまでに、県内の専攻医を対象にしたポートフォリオ学習など、専攻医の皆さんと一緒に学ぶ機会をつくってきました。
SPartはプログラムや所属・職種を越えて、「埼玉県全プログラムでの研修指導の実践」を進めています。
2020 年度からは、日本プライマリ・ケア連合学会埼玉県支部様より正式な承認いただき、教育活動のひとつとして活動をすることとなりました。

私たちの活動(勉強会や交流会)をお知らせするためにブログをはじめました。
埼玉県はまだまだ家庭医・総合診療医の少ない地域です。また、全国で最も医師が少ない地域とも言われています。

埼玉県で働く医師、医療者、プライマリ・ケアに関わる人たちが、SPartでの学習を通して、埼玉県に暮らす人たちの健康問題に少しでもお役にたてるようになれればいいなぁと思っています。

どうぞよろしくお願いします!☆